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Bizteria経営企画 Vol.7
地球環境と経済の両立
東京電力株式会社 環境部長 影山 嘉宏

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した第4次評価報告書によると、100 年間で世界平均気温は0.74℃上昇し、最近50 年間では過去100 年と比べて約2 倍になり、この原因は人為起源の温室効果ガスの増加にあるとしています。このことで、水資源、生態系、食料、健康など様々な面での悪影響が懸念され、世界全体で早急な対策が求められています。

 また、京都議定書の約束期間(2008 - 2012 年)まで1 年をきっていますが、日本の削減目標はマイナス6%であるのに対して、2005 年時点ではプラス7.8%と逆に増加し、目標達成には相当な努力が必要な状況にあると言えます。

 このように地球温暖化問題は喫緊の課題なので、CO2 の排出抑制などの対策を早急に講じるべきなのですが、ただ闇雲に進めればよいというものではありません。CO2 の多くはエネルギー消費に伴い排出されていることを考えると、地球温暖化問題はエネルギー問題であると捉えることができます。つまり環境と経済の両立を如何に図るかという観点が必要になるのです。経済活動により地球環境が悪化することは抑制しなくてはなりませんが、逆に環境対策を進めることで経済成長や経済活動が阻害されてしまうことも避けなくてはなりません。つまり経済性、エネルギーの安定供給、環境保全の3つをバランスさせた取り組みが必要となるのです・・・ (続きを読む)

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