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Bizteria経営企画 Vol.25
知的財産の戦略的活用法
OXIA綜合知的財産事務所 代表 奥町 哲行

 特許情報は、技術・事業・製品における自社や他社のポジショニングを把握することができ、研究開発の方向性の検討や、新たな事業テーマの探索、経営資源の配分、M&Aや外部からの技術導入の選定など、意思決定を支援する有用な情報となります。知的財産マネジメントを行うことは、これからの企業価値を高め、将来の持続的成長に大きな影響を与えることは間違いありません。

 このように知的財産権の重要性が増しているにもかかわらず、有効に活用されているとは言い難いのが現状です。

 大企業において、知的財産部は比較的新しい部署ではないでしょうか。開発部門や特許部が改編されて知的財産部になるケースが多いようです。以前は、優秀な技術者が自身で特許出願(申請)のための書類の一つである特許明細書を書いており、知財そのものよりも技術者本人の能力が重視されてきました。今でも、そうした流れが続いており、知財に本腰を入れていない大企業も多く見受けられます。

 中小企業においては、ひとつでも強い特許を持った会社の経営はうまくいく可能性が高いように思えます。しかし、多くの中小企業はたとえ有望な技術を持っていても、野ざらしの状態であることが・・・(続きを読む)

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