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Bizteria経営企画 Vol.23
創造的/革新的な組織に、カリスマ経営者はいらない
ネクセント株式会社 代表取締役 額宮 良紀

 日本企業が抱えている問題は、今回の経済危機の前後で変わっていません。むしろ、以前から問題を抱えていたというべきでしょう。それは、社員の元気がなくなっているということです。

 日本は90年代のバブル崩壊から立ち直ってきました。このときに導入してきたのが、「成果主義」であり「ビジネスライク」という発想です。しかし、この発想が行き過ぎて、社内にクリエイティビティが失われてしまったと思います。

 会社というのは、感情/感性を持った人々の集まりです。ですから、論理性/合理性を強調しすぎると、思ったことを素直に言う風土をなくしてしまいます。例えば、社内で部下が新しい商品の提案をしたとしましょう。その商品が売れるであろう根拠が示されます。しかし、それは100%の確証があるものではありません。「売れるのではないか?」という仮説です。もし、その点を上司や同僚が指摘・糾弾し続けたら、提案した部下は黙ってしまうでしょう。部下には徒労感だけが残ります。

 「ビジネスとは仮説に基づいて行動してナンボのものだ」ということは、誰もが本音では理解しているはずです。にも関わらず、合理性/論理性が強調される風潮の中で、自分の感情や感性に基づく仮説を“自主規制”するようになりました・・・(続きを読む)

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