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Bizteria経営企画 Vol.22
生産性を上げるメンタル対策と人材育成
株式会社ホリスティックコミュニケーション 代表取締役 豊田 直子

 メンタルヘルス不全とは、本来人間が持っている「思考・感情・行動」の統合した状態が乱れ、自分や相手の感情に巻き込まれて正論をふりかざしたり、自分で自分を充実していない人生へとひきずりこんでいくあらゆる状況を指すと考えるべきだと思います。

 そういう意味では現代人の多くがメンタルヘルス不全です。たとえば、ある派遣の女性社員は、特定の人にだけ挨拶をして、他の人は無視するという問題行動が見られました。よく知られているように、マズローの欲求5段階説では、下位の欲求が満たされて初めて上位の欲求を持つと言われます。調べてみると、彼女は派遣社員であったため、「所属の欲求」が満たされていませんでした。そのため、感情のもつれが起こり、問題行動として表面化したのです。

 このように、女子社員個人の問題のように見えたとしても、深層には組織のあり方がメンタルヘルス課題として横たわっていることもあります。メンタルヘルス対策を行わないままでは、社員の健康を守ることはおろか、組織の活性化も期待できません。

 社員のメンタルヘルス不全は、会社に大きな負担を強います。社会経済生産性本部が2002年に発表した調査結果によると、社員の生産性が54%も低下するというのです・・・(続きを読む)

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