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Bizteria経営企画 Vol.21
ロジスティクス改善は物流の「見える化」とKPI評価から
三菱化学エンジニアリング株式会社 プロジェクト第2本部 生産・ロジスティクス事業部 部長 河上 均

 好況下ならともかく、現在のような不況下においては、多くの企業で在庫が増大していると思います。こうした状況において初めて、経営者は物流部門が問題を抱えているということに気付くのではないでしょうか。

 日本でSCM(サプライチェーンマネジメント)が注目されるようになって10年くらいたちますが、そもそもサプライチェーン全体をきちんとコントロールできているのかどうか、誰がコントロールするのかという点ではまだまだだと思います。

 例えば、ジョージア工科大学のフレーゼル博士によると、「ロジスティクスとは物と情報とお金の流れだと定義できる」ということですが、中でも情報の流れがうまくいかず、在庫が削減されていないのではないでしょうか。ロジスティクスにおいて、物だけではなく、日々の販売状況や販売計画などの情報を同時に流すことができれば、在庫状況などはずいぶん改善されると思います。また、これからさらに外国人労働者が増えていくでしょうから、業務の標準化も求められます。

 こうしたことに限らず、日本の企業の物流部門は物を配送する部門にとどまっており、戦略立案やサプライチェーンのマネジメントを行なっていませんし、そもそもその権限がないというところが問題だと思います。本来であれば、CLO(最高ロジスティクス責任者)を置くべきです。そこまでしなくとも、企業のトップはSCMに対する意識をもっと高めるべきでしょう・・・(続きを読む)

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