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Bizteria経営企画 Vol.17
厳しい時代こそ、「本物」だけが選ばれる
株式会社イニシア・コンサルティング 代表取締役社長 丹生 光

 米国発の金融危機が世界恐慌につながる懸念が叫ばれている今日、あえて企業ブランド戦略を実行するとしたら、はたしてその意味は何でしょうか。結論をいえば、いつも厳しい時代こそ、「本物」だけが選ばれるということです。その結果として「ブランド力とは値差である」という極めてシンプルかつ分かりやすい本質に行き着きます。ブランド力がなければ、不況下で体力を消耗する不毛な「値下げ」以外に打つ手がないからです。

 値差には、ブランド力のすべてが反映されます。当たり前のことですが、メーカーや販売店が勝手に高い価格設定をしても、それに見合う以上の価値を持つ商品があり、サービスがなければ、お客さまから評価され、信頼をいただき、購入されることはありません。逆にマスコミや調査会社からどんなにすばらしいブランド評価を得ても、お客さまから安い価格設定でしか買っていただけないのではブランド価値があるとはいえないでしょう。

 ブランド戦略とは優れて差別化された価格設定を可能にするビジネス戦略であり、そのための経営の仕組みづくりであり、それを日常的に地道に、着実に実行する組織づくりであり、それを支える組織文化のマネジメントなのです。いずれが欠けてもそれは実現できません。

 そのためには、お客さまが企業ブランドを体験するすべての接点を誠実に、一貫して・・・(続きを読む)

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