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Bizteria経営企画 Vol.16
【人事コラム】「デュオ・リーダーシップ」という考え方
アースシップ・コンサルティング 松山 淳

 ソニーの創業者井深大氏には盛田昭夫氏という右腕がいました。ホンダを世界レベルの自動車メーカーへと成長させた本田宗一郎氏には、藤沢武夫氏という名パートナーがいました。「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏にも高橋荒太郎氏や中尾哲二郎氏という陰の功労者がいたのです。

 「リーダーシップ」という概念は「指導力」「統率力」と訳され、人の上に立つ人間にとって欠かしてならない要件とされています。その言葉を聞くと、多くの人が「個人的な強さ」をイメージすると思います。

 「リーダーシップ」は、欧米から導入されました。「個」の確立された自我をもつ西洋人の思考がベースになっています。ですので「リーダーシップ理論」は「個人的な資質」に焦点を当てます。「リーダーはこうあらねばならない」という「リーダーの条件」がそれです。条件として列挙されるものには「決断力」「判断力」「察知力」「共感力」「教育力」・・・・いくらあげても切りがないでしょう。

 しかし、日本人と西洋人の意識構造には違いがあります。西洋人の自我が「個の確立」を目指すのに対して、日本人は周囲との「調和」のなかに「個」を置こうとします。比喩を使うならば、西洋人が一本の木としての強さを求めるのに対して、日本人は森となって「全体としての強さ」を志向する、ということです。個の成果に固執した「成果主義評価制度」が組織にひずみをもたらしたのは、当然なのです・・・(続きを読む)

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