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Bizteria経営企画 Vol.11
【連載】自律組織への変革(第2回) ファシリテーターに求められる基本的スタンスとスキル
株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング 代表取締役 黒田 由貴子

 前回、ファシリテーターとは「中立的な立場」で、「プロセスを管理」し、「チームワークを醸成」しながら、チームの「成果を最大化する」よう支援する人、という当社の定義をご紹介した。今回はこの4つのキーワードに沿って、ファシリテーターに求められる基本的なスタンスとスキルについてお話したい。

キーワード1:中立的な立場になる
 まずは中立性である。その場のメンバーや議論と接するにあたり、ファシリテーターには、中立的立場の保持と客観的な視点が必要とされる。議論に加わることもしない。AとBという対立する意見が出た場合、ファシリテーターはどちらの意見にも肩入れするような発言をしてはならない、ということは容易におわかりいただけるだろう。ファシリテーターの役目は、あくまで「合意形成に向けて、議論をし尽くさせる」ことであるから、個人的見解を伝える必要はない。では、このような場合はどうだろう。メンバー全員が、Bのオプションを見落として、AまたはAに準ずる考えに傾注し、議論が偏っている。「では結論はAですね」とまとめてしまって良いだろうか。ファシリテーターとしては、「Bも考えなければならないのではないか」と進言すべきである。たとえ、自分がBの意見を評価していなくても、だ。これは個人的意見ではない。「議論をし尽くさせる」ためには、物事を俯瞰し、バランスよく見るという「中立性」が必要である。

キーワード2:プロセスを管理する
 プロセスとは「物事の進め方や手順」のことである。会議や組織活動の前に、どんな・・・(続きを読む)

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